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岸辺露伴 ルーヴルへ行くのゆとのレビュー・感想・評価

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)
3.7
当方、ジョジョは読んだことがなく学生の頃買っていたジャンプに読み切り掲載されていた『岸辺露伴は動かない』を読んだのが最初の出会いで、暫くしてドラマ化された当作品のみ楽しんでいる客層の1人である。

ちなみに元々主演の高橋一生がとても好きなんだけれど彼による岸辺露伴が解釈一致しすぎててその役作りにはドラマのキービジュアルが発表された段階で感服するほどだった。

漫画の取材をきっかけに"この世で1番黒く、邪悪な絵"を求めて岸辺露伴自らルーヴル美術館を訪れる。その絵は見たものには何かが起こる呪われた絵なのだが、実は露伴と奇妙な繋がりがあってその背景を掘り下げていく描写が面白い。

ドラマの持ち味でもあったミステリ、怪異譚としてのクオリティが映画でより際立っていたし鑑賞後のなんとも言えない後味の悪さが健在だったのは嬉しかった。ただ、スクリーンで観るべき作品かと問われると素直に頷けないのだが、作品自体が悪いわけでは決してないし最善の制作はされていると思う。

余談。映画館に行く前に国立新美術館にて開催中されていた「ルーヴル美術館展 愛を描く」を鑑賞して来たのだけれど、同じルーヴルとはいえ"愛"をテーマにした展覧会とは真逆の作品を映画で扱っているそのギャップには少しクスッときた。
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