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ザ・キラーのmzkのレビュー・感想・評価

ザ・キラー(2023年製作の映画)
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私が求めるフィンチャーの映像とは言えず。編集のキレを絶賛するレビューも見かけるが、それはどうだろうかと疑問。もちろん、前提のハードルが高いのだが。
私は『ドラゴン・タトゥーの女』の冷たく、キレッキレの映像が好きだ。『マインドハンター』の配信が始まったときに感じた「フィンチャーの作品を観てるぜ!」という感動も今回は希薄で、それが残念だった。
しかし、物語は面白く、あらゆるものが使い捨てられる。もしくは借り物ばかり。スマホ、名前、車、バイク、拳銃など、自身の持ち物はないのではないだろうかと、空虚な気持ちに陥る。冒頭の場所も示唆的だ。事前の予想を裏切る、人間味が溢れる主人公も意外だった。凄腕の殺し屋には思えない。
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