バビロンのMasatakaのレビュー・感想・評価

サイレント映画を観る人なんか殆どいなくなってしまった現代だが、今の映画文化(もっと言えば映像・動画文化全般)は、先人たちの築き上げてきた幾多の仕事で成り立ってきたんだということを思い返させてくれる。そして繁栄のその影で傷つき消えていく人たちもひっくるめて、全てにリスペクトを捧げている、そんな作品だった。3時間は冗長だったなとは思うものの、「なにか大きいものの一部になりたい」と語っていたマーニーの夢が、まさに今この映画を観ている我々の地平までつながってくるラストのシークエンスは圧巻。