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紳士は金髪がお好きのliliのネタバレレビュー・内容・結末

紳士は金髪がお好き(1953年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

この時代にこんな最高の女性バディーものコメディ映画があったとは!人をおちょくったようなタイトルもじわじわ来る。主演の二人は、不仲説を期待するメディアの思惑とは裏腹に実際はとても仲が良く、陽気なジェーンが内気なマリリンを守る役回りをしていたというエピソードがアツい。
この映画の最高なところを挙げ始めたらキリがないが、まず二人とも「結婚は愛ではなく金のため」という前提なのが良い。二人がお揃いの可愛いドレスで歩いてくる最後の結婚式シーンは、今まで見た結婚式の中で断トツに良かった。あと、写真を奪いに行く前にドロシーが言い放つ、「できなきゃ女がすたるわよ」は歴史に残る名台詞だと思う。
ローレライとドロシーはそれぞれのキャラクターがブッ飛んでいて面白いし、声の相性も含めて組み合わせが絶妙。うわ〜、こんなのが見たかったんだよ〜!と思ったのは『ゴーストバスターズ』や『SPY』を見た時と同じだが、この時代にこんな女性ホモソーシャル的な関係性が表現されていたのには驚きしかない。
マリリン・モンロー出演作はこれが初めてだったが、本当に才能に恵まれた稀有な女優で、あれほど名を残しているのも当然だということが一作でわかった。それだけに、若くして亡くなってしまったことがとても惜しい。ジェーン・ラッセルはこの映画で初めて知ったが、なんだこの尋常じゃない格好良さは…。押しても引いても絶対に倒れない強さを持ちながら、情に厚いドロシーの役が当て書きのようにピッタリハマっていた。これまでの人生で知らなかったのが悔やまれる。
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