このレビューはネタバレを含みます
まず薄化粧のMEGUMIが想像を絶するマトモで綺麗な役者になっていることが驚きで面白かった。ゆえに主人公のペラい演技にちょっと辟易したが理解が追いつく程に認めることができたのでその辟易はキャンセル。モヤッとしたモノは残るが、それはこの物語や作品に対するものではなく社会に向けられたことなので正解である。
話の内容として序盤非常にマヌケと言うか被害者意識だけが先行し過ぎていることが示されているが、それが逆に結末が整うことを示唆されるような演出で安心して見ていられた。「例えどんなに正当で真っ当な理由であろうと自分独りの嫉妬心や怒り、猜疑心を暴虐的に発露する不毛さ」をよく観察することができた。メインキャラクターの全てがそうで、更に私の解釈としては「他者の私利私欲に振り回され続けたにも関わらず、かように高潔な殺人罪があろうか」と真剣にモノを考えさせられ曲解なく考えることができたと思う。素晴らしい作品でした。