わりと退屈なやつか？と思ったのは序盤だけで、かなえの過去、堀の正体、悟の嘘と去った理由とか、謎に次ぐ謎でサスペンスとして引き込まれた。
堀は黙って立ち去るんじゃなく自分の口でかなえに真実を伝えられて良かったと思うし、かなえは結局冒頭と何も変わらないのか…と思いきや堀がいるよっていうラストもすごく良かったけど、わざわざ会ったのに悟が去った理由が釈然としなくて消化不良…と思ってしまった。
「薪じゃなくて重油～」のシーンが2回繰り返されていて、この時悟は真実を話そうとしていたのかなと思ったり、映画オリジナルらしいカエルのシーンは「来年も同じとは限らない（同じ人でも内なる思いは変わるかも？）」ということを伝えているのかなと思ったりしたけど、去ってしまったのは何故なんだろう…。
終盤、悟も探偵を雇ってかなえの様子を窺っていたことが分かるので、愛想を尽かして去ったわけではないだろうし、かなえについた嘘が何か破綻したわけでもない。
冗談っぽく言っていたけど、「本当に好きだから一緒にいるのが辛くなった」という言葉に嘘はなかったということなのかな。そうだとしたらまったく理解はできないし自分勝手だなと思うけど、自分勝手なだけましかもな、とも思う。「相手のためを思って去る」とかいう行動・言動（りゅうちぇる、羽生結弦とか）の方が格段に幼稚で気持ち悪いと思っているので、それに比べればまし、というだけなんだけど。
探偵の山崎のシーンは毎回面白かったし和まされた。あの雰囲気でカラオケ歌うのめちゃ笑った。そもそも原作の段階でブレイク前のリリー・フランキーがモデルたったと知って驚き。江口のりこは意外と出番が少なかった。
人生ハードモードすぎるかなえ、ラストに救いのある展開があって良かったなと思う。（原作とは違うらしい）
ハードモードすぎて主人公とはいえあまり共感できるところがなかったけど、「自分は良い子じゃなくさなえの真似をしているだけ」という不安はたしかに感じることがあるなと思った。
