TakahisaHarada

ライフ・イズ・ビューティフルのTakahisaHaradaのレビュー・感想・評価

4.5
夫婦の運命的な出会いと第二次世界大戦下の家族の話。タイトル負けしてないめちゃくちゃ良い話だった…。

前半だけ見たら底抜けに明るいお調子者って感じのグイドが、後半の息子ジョズエとの描写で、優しさ、ユーモア、勇気を兼ね備えた人物だったんだと思えてとても良い。
危険を顧みず収容所行きの列車に乗ったドーラ、最後まで紳士であり続けた叔父さん、ありえない駆け落ちも大目に見て娘と孫を愛したドーラ母、皆素敵な人物というのも良かった。

前半はお調子者グイドのコメディを笑いながら観てた。メニュー誘導したり監察官になりすましたり、ちゃっかり者だしお調子者って感じで笑った。ドーラを劇場から連れ出した後の鍵、なぞなぞ、帽子の3連打も笑った。やばすぎる駆け落ちが卵の天丼で締められてるのも良い。
ショーペンハウアーとか医師とのなぞなぞとか、何それ?っていう描写が後半の収容所でまた出てくるのも良かった。ジョズエの風呂嫌いも、子どもは皆嫌いだよねぐらいの感じで観ていたけど、極度に嫌いだったおかげでガス室行きを免れていてちゃんと繋がってる。

ジョズエを守るためのグイドの噓は、噓が始まる収容所行きのトラック(「これは旅行だ」)の時点でもう切ない…。
収容所に着いてからも噓のルール説明のシーンとか、放送を乗っ取ってドーラに無事を知らせるシーンとか笑えて切なくて良かった。
噓が始まったときから、ジョズエに「家に帰りたい」と言われたらどうするんだろう、さすがに途方に暮れるんじゃないかと思ってたので、実際にそれを言われた後のグイド(「1等賞だったが仕方ない、帰ろう」)がすごく印象に残ってる。
最後の最後までジョズエを不安がらせないよう楽しそうに行進する姿を見せたグイドが切ないし、グイドがつき続けた噓が現実になるラストの戦車もめちゃくちゃ良い展開で素直に感動した。