クリーム

アンダーカレントのクリームのレビュー・感想・評価

アンダーカレント(2023年製作の映画)
3.8
今話題の真木よう子さんが主演で、何と言うか危うい感じが演じているのか、本物なのか。微妙な所が面白く、最後まで飽きずに観れました。失踪した夫の真相やミステリアスな従業員を交えたサスペンス要素も楽しめたポイントです。比較的合う方の今泉作品でした。ちょっと長いけど…。

銭湯の女主人·かなえの夫·悟が突然失踪した。何とか銭湯を再開すると、堀と名乗る男が「働きたい」とやって来て、成り行きで働く事になった。一方、友人·菅野に紹介された探偵·山崎に悟の行方を探して貰う事になるが、夫の知らなかった事実に直面する。かなえ自身の過去も交え、真実と向き合い、前進して行くかなえを描く。



ネタバレ↓



堀は、色々な資格を持っているのに銭湯で働きたいと言う。それは、小学生の頃、かなえが良く遊んでいた、さなえの兄だったから。さなえは、池で絞め殺され、かなえは犯人に口止めされ、何も言えなかった。堀と両親は引っ越したが、一家は離散した。
数日前にたまたま、かなえを見かけた堀がかなえと確信し、かなえの銭湯で働き始めたのだ。
山崎の調べで、悟は兵庫県ではなく山形県出身で、交通遺児ではなく2年前まで両親は健在で、自宅の火災で焼死していたと知ります。
悟が見つかり再会します。
彼の失踪理由は、幼い頃から大嘘つきで、その事に罪悪感もないと言う。 嘘だと気付く人が現れたらそこから逃げ出す。そう言う、くり返しの人生を送って来たと言う。本当の事を話したいと思った時もあったと言います。2人は離婚を決めました。
かなえは幼い頃から池のほとりで泣いている自分。何者かに首を絞められ水の中に沈められる夢を見た。それは、さなえが自分の身代わりになり殺された事件の真相だった。
そして、一度は、黙って出て行こうとした堀だったが、夕食時に重い口を開き、かなえに「さなえは……俺の妹です」と言った。 翌朝、犬の散歩をするかなえの後ろから、堀が一定の距離を保ちながらついて行くのでした。おしまい。

悟、かなえ、堀と人には言えない事を抱えた3人の話で、終盤までミステリアスなので、楽しめました。キャストがそれぞれ役に合っていて、怪しさ合戦みたいで、だからこそ面白い仕上がりになってたと思います。悟は引き留めるに値しない男なので、あれで良いが、堀とかなえのラストの距離感は、色々想像を掻き立てられる。長いけど楽しめました。
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