ぶみ

バニシング・ポイント 4Kデジタルリマスター版のぶみのレビュー・感想・評価

4.5
消失点の彼方に、地上最後の〈自由の場〉が解き放たれる。

リチャード・C・サラフィアン監督、バリー・ニューマン主演によるカーアクションをベースとしたアメリカン・ニューシネマ。
ニューマン演じるクルマの陸走屋コワルスキーが、白色のダッジ・チャレンジャーを駆り、デンバーからサンフランシスコまで疾走する姿を描く。
1971年公開の本作品が、50年以上の時を経て、4Kデジタルリマスター版として再上映。
ブルーレイ・ディスク版を所持する私としては、まさかの再公開に観ない手はないと、そそくさと足を運んだところ、観客の殆どが私より年上と思しき男性ばかりだったので、同じ思いを抱いた人の多さに驚くばかり。
詳しい感想はオリジナル版での投稿を参照して頂くこととして、何はともあれ、コワルスキーが白色のダッジ・チャレンジャーのステアリングを握る姿をスクリーンで観ることができるとは思ってもいなかったので、冒頭、張り裂けんばかりのエギゾーストノートが響き渡った際には、思わず胸が熱くなった次第。
そして、特筆すべきは、パンフレット。
若い頃は、必ずパンフレットを買っていたが、本数を観るようになった最近は全く買わないでいたものの、私の目の前でチケットを購入していた人が、あわせて迷わずパンフレットも買っており、その1,200円という値段の高さに驚くとともに、その厚さも尋常ではないもの。
よく見ると、表紙には「アメリカン・ニューシネマの世界 特集バニシング・ポイント」の文字があり、買った人が開いていた中身を後ろから覗き見たところ、ほぼ文字で埋め尽くされており、その情報量の多さと、本作品のみならず、アメリカン・ニューシネマ全般にかかる掲載内容に心奪われ、上映終了後、何年かぶりにパンフレットを購入。
私のベストムービー『激突!』で、顔を出さない大型トレーラーの運転手役を演じたスタントマン、キャリー・ロフティンが本作品でもスタントのコーディネーターとしてクレジットされていたのも、パンフレットで知ることとなったところ。
今日も、ロケ地マップやトリビアが掲載されたパンフレットを眺めながら、家族に怪しまれつつも、一人ほくそ笑む時間を過ごすとともに、パンフレット購入が必須と言っても過言ではない名作。

何が証明したいんだ?
ぶみ

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