Taul

スペースマンのTaulのレビュー・感想・評価

スペースマン(2024年製作の映画)
3.0
古くは『惑星ソラリス』から最近では『アド・アストラ』など、宇宙と深淵さと精神の問題を重ねて、哲学的だし詩情性を感じるような、大好物なタイプのSF。新鮮味はないし決定打にかけるが、中年男性の贖罪話は、独りよがりと分かっていても感情移入してしまうし、ポールダノの声の宇宙グモの馴れ馴れしい感じもよかった。
ポイントの一つに古さがあり、木星探査や通信技術では未来だが、使ってる機器や携帯を見ると20世紀のようで不思議な味わいをかもしだす。この話の科学的な部分のリアリティーを削ぎ、御伽話的な感覚にうまくマッチしている。
この尺では原作にあるチェコの政治的な部分をオミットして正解ではないだろうか。それと『メッセージ』のマックス・リヒターの音楽があいすぎる。
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