Taul

プリシラのTaulのレビュー・感想・評価

プリシラ(2023年製作の映画)
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『プリシラ』愛らしくも空虚な「人形の家」映画。でもスターの結婚生活を下衆に盛り上げないのがソフィア・コッポラ。あのセレブリティの中の少女視線はなかなか出せないのでは。メンフィスマフィアも可愛いボーイズになる。身長差が際立つキャスティングとその撮り方は、グルーミングが際立つのもあるし、もはや人形としての女性だったことも分かる。でも、それも含めて批評的とか、フェミニズム的とかいうものでなく、あえて言うならソフィアコッポライズムといったテイスト。

出産で病院に運ばれる時、つけまつ毛などメイクを心掛ける姿が印象的で、はかない人形の性とも、スター妻の矜持ともとれ、当時の彼女をうまく表現している。

『Saltburn』に続きジェイコブ・エロルディが良かった。エルビスの声真似や眠たい目、貧乏ゆすり、写真での成りきりも頑張ってた。そのへんも含めて、映画『エルヴィス』との対比としても面白かった。
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