Taul

リンダはチキンがたべたい!のTaulのレビュー・感想・評価

4.0
『リンダはチキンがたべたい!』笑って泣けて目が楽しい、文句無しの面白さ。みんな間違ってるドタバタ劇だけど、脇も含めちゃんと思いがあって、それが大胆にスパークする活劇が素晴らしい。下手ウマミュージカルのネタとタイミングも絶妙。色と輪郭中心でカオスな展開も見やすい情報量だった。団地映画としても最高です。

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『リンダはチキンがたべたい!』フランスのお国柄が面白い。大人も子どももエゴ強めで、ストやデモの背景も重なり、権利や欲望に忠実な個人主義が感じられる。隙あらば恋するところもさすがだし、お母さんの曲線が色っぽい。喧嘩(でも可愛い)、子どもの声、変な歌など、いっぱいフランス語に触れられた。

でも、とにかく面白い傑作なんで、次は評判の吹替えで見るのもいいかも知れない。

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『リンダはチキンがたべたい!』の監督インタビューをいくつか読んだ(来日したので多い)。アニメの異色さも、お話やキャラの掟破りな感じも、リミットを外した独創的な映画作りの賜物だと知る。それが逆に、映画の持つ活劇性、娯楽性の原点に近づいた感じもある。キートンやパイ投げみたいだった。
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