Taul

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章のTaulのレビュー・感想・評価

3.0
『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章』これは面白い。3.11以降の日本の物語。ハードな幼年期の終わりと、カワイイ日本的な女子高生の日常が並行で描かれる。それだけでも面白いが、途中の飛躍に、より痛烈な社会批評を見る。既に少し古いのも、世界がさらに病んでいってるのを感じる。

『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章』東日本大震災が実際に描かれるわけでなく、体験した日本人がそれを別の象徴で描く物語。幾田りらの声優は驚くほど自然。あのちゃんの個性強めとのコンビが面白い。原作漫画は未読で、いろいろ掘りたいが、今後の展開のネタバレに会いそう。後章が待ち遠しい。

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『デデデデ 前章』援交をギャグにするなど気色悪いが、現実の反映だろうし、そもそも大人や社会も酷い描写がいっぱいだ、水木しげる味もあった。日本(自己とも言える)への嫌悪感と、ここで(このまま)生きていくしかないという諦めにも似た愛着。そんな複雑な思いを、漫画やアニメ表現の歴史を背景に描き出す、といった趣向を感じた。
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