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ギリ義理ファミリーのRのネタバレレビュー・内容・結末

ギリ義理ファミリー(2023年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

2023年のアメリカの作品。

監督は「僕のミッシー」のタイラー・スピンデル。

あらすじ

恋人パーカー(ニーナ・ドブレフ「ブリックレイヤー」)との結婚式を数日後に控えたオーウェン(アダム・ディヴァイン「フランメルズの大冒険」)は、自分が支店長を務める銀行で強盗に遭遇、大金を盗まれてしまう。しかし、その強盗が実は数日前に会ったパーカーの義理の両親だということに気付き…。

個人的に結構好きな俳優アダム・ディヴァイン主演のコメディで面白そうだったのでこの機会に鑑賞。

お話的には家族ものコメディなんだけど、最愛の恋人の義理の両親が実は伝説的な強盗だった!!というから設定としては面白い。

また、この義理の両親を演じるのがイケてるジジイ役がまた近年定着しつつあるピアース・ブロスナン(「ブラックアダム」)とこちらも綺麗な金髪とちょこんとした佇まいが可愛らしいエレン・パーキン(「マン・フロム・トロント」)というダンディ&キュートな組み合わせだから余計にグッとくる。

で、そんな義理の両親とコメディアン俳優アダム・ディヴァインの化学反応!!を期待してたんだけど…。

まず、アダム・ディヴァインは良かった。義理の両親が実は伝説の強盗コンビ「ゴースト・バンデッド」だと知って鼻水と涙をダラダラ流しながら焦りまくるところとか、その両親と顔合わせで飲みに行って二日酔いでものすごい勢いで吐くところとか、とにかく顔芸がすごい。

また、アクション部分でも頑張っていて後半、義理の両親との強盗に加担することになり、なぜか目立ちまくるシュレックの変装に身を包み、「モアナと伝説の海」のマウイ似の大男に吹っ飛ばされるところとかめちゃくちゃ笑った。

ただね、対する義理の両親のキャラクターがあんまり受け付けない。と言うのも初めはめちゃくちゃ友好的な感じなのに、打ち解けようとする中で、アダム演じるオーウェンが靴の踵踏んづけただけでイラっときたりと次第にトゲトゲしくなっていっちゃって、挙げ句の果てには義理の息子に強盗の罪を着せようとする。その理由もやむない理由でとかじゃなく、普通に過去の行いのツケからくる、要は自業自得みたいな感じであんまり同情もできない。なんか演じてる2人が凄みがある分、あんまりやってることが笑えないんだよなぁ。

後半ではやむ無く一緒に強盗することになるんだけど、そこでもオーウェンがヘマをするたびに「あいつは殺す」みたいな感じでめちゃくちゃフラストレーション溜まっててなんかガチすぎて怖い。だから、クライマックスで急にオーウェンのことを娘の婿として認め始めても、おいおい、お前さっきまで殺すとか言ってなかったっけ?ってなっちゃう。

あと、義理の両親とは別の意味でダメだったのがオーウェンの両親の2人。なんか初めっから今回の結婚のことよく思ってなかったり、両家の対面でも険悪な感じを出してきたり、最終的に強盗するオーウェンの足を引っ張ったりと(まぁ、だからこそその信頼のなさを逆手にとってオーウェンが利用するんだけど)、とにかく見ててイライラする。

だから、あんまり今作のキャラクター全般が好きになれないんだよなぁ。良かったのはオーウェンの奥さんのパーカーと途中で出てくる刑事役のマイケル・ルーカー(「ザ ・ローブ」)くらい。

つか、マイケル・ルーカーってそういえばあんまりコメディのイメージないよな。コメディ受けしそうな感じなのに。

まぁ、後半にかけては見せ場である銀行強盗シーンが続けて二度あって、特にシュレックの格好でオーウェンたちが銀行を襲った後に現金輸送車をかっ飛ばして、開きっぱなしのバックドアから無数の現金をばら撒いて、大挙することパトカーから追われるシーンとかは、なんかルパンみもあって非常に映画的で良かった。

あと、1番笑ったのが、義理のお父さんを演じてるのが元007を演じたブロスナンなので、オーウェンが強盗の作戦会議中に戯けて銃をカッコつけて構える姿を見て、義理ママ「ジェームズ・ボンドみたい」パパ「何代目?」ママ「5代目(ブロスナンが演じている)」パパ「名優だ」っていうメタギャグ!!これこれ!こういう遊びがもっとあったら良かったのに。

あと、エンディングで昔好きでよく聞いてたblink-182が流れてきて、そこはめちゃくちゃテンション上がった!!

という感じで良さげな雰囲気なのにキャラが足を引っ張って微妙に不快感を伴う作品でした。ただ、個人的に合わなかっただけで好きな人は好きだと思います。
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