Kiki

マエストロ:その音楽と愛とのKikiのレビュー・感想・評価

4.3
バーンスタインのことはよく分からなかったけどこの作品では、芸術家あるあるの人間的な最低部分。
それゆえに、その人間としての愛と彩りが反映されている芸術の面で見ると文句のつけどころがないから余計嫌なのですよねw
ブラッドリー・クーパーは指揮者のネゼ-セガンに師事して指揮者としての振る舞い等も学んでいたそう。
仕草まで芸術家っぽくてっていうかもうクーパーの横顔がバーンスタイン。時に5時間以上かかったというカズ・ヒロ氏の特殊メイク、芸術です。

クーパーの指、手の使い方が秀逸すぎる。人の背中の触り方ひとつとっても、色々な感情を感じさせる。
キャリー・マリガンの目!恋愛真っ最中のとろける眼差しから、関係性が変わっていくにつれての諦めたようなでも攻めるような眼差しの変化は圧巻。
オペラ鑑賞のシーンとかリアルすぎて地獄なんだが。
終始このふたりの静かな戦争がとても見応えあります。歯ブラシとかもうね。

マエストロを中心とした愛や音楽の関係を、第三者目線として覗き見しているようなカットもあり余計に胸にグサグサきた。
ブラッドリー・クーパーは主演としても監督としても理想を超えてきていてどこまで行くの⁉︎という感じ。好きです。

全編にわたってレナード・バーンスタインの楽曲が使われているのが贅沢。ただメインは演奏ではなく人間関係かな。上質な映画。映画館で鑑賞する醍醐味を感じました。
Kiki

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