ブラッドリー・クーパー監督&主演作品。
音楽家レナード・バーンスタインとその妻フェリシアの姿を描くドラマ。
もともとスピルバーグやスコセッシが手がけることを検討していた作品を、ブラッドリー・クーパーが監督することになったと何かのインタビューで読んだ気がするんだけれど。
(スピルバーグとスコセッシは今作ではプロデューサーにまわっている)
監督2作目にして、徹底した美意識とビジョンをもって撮られている、という印象。
ブラッドリー・クーパーのクリエイターとしての凄さを感じた。
演技も、ブラッドリー・クーパーとキャリー・マリガン、どちらも広い年代を巧みに演じ分けていて素晴らしい。
オスカーノミネート納得の演技。
そして、ブラッドリー・クーパーにもレナード・バーンスタイン本人にも見えるメイク技術にとにかく驚嘆した。
オスカー受賞経験のあるメイクアップアーティストのカズ・ヒロさんが手掛けていると知り、納得。
今作がオスカー受賞するとしたらヘアメイク部門だろうな、きっと。
(『哀れなるものたち』もかなり攻めていたからヘアメイクに関してはどちらかが獲る気がする。まだ観てないノミネート作品もあるから断言は出来ないけれど)
音楽の話題や指揮の場面もありつつ、メインストーリーはセクシャリティの違う主人公2人が、それでも支え合い時にすれ違う様子を描く映画。
単純な愛の映画とも言いきれず、生々しさのあるぶん、あまりのめり込んで観ることが出来なかったかな…(あくまでも個人の趣味の問題です。)
かなり芸術性の高い映画なので、アート映画が好きな人は必見かと。
映画館のスクリーンと音響で、改めて観てみたいと思う作品。