いずぼぺ

マエストロ:その音楽と愛とのいずぼぺのレビュー・感想・評価

3.7
強烈な個性とまともに向かいあうことでおきるハレーション。 
レナード・バーンスタインとその妻フェリシアの愛に溢れつつも調和の過程に苦しむドラマをチャレンジングな表現で描いていた。
レナード・バーンスタインの物語というより、フェリシアのドラマ。

音楽の才に溢れ、妻や家族への愛に溢れつつも多方面への愛にも溢れていたレナード・バーンスタイン。おまけにチャーミングでエネルギッシュな魅力にも溢れていた。
きっと彼はこの多方面の愛にも、どの愛にも嘘はない。「完全なる自由である」から。
でもこのバーンスタインと向き合ったフェリシアの細かな感情の揺れをキャリー・マリガンが見事に表現。
輝きに飲み込まれ、ハレーションで疲弊し、自分が愛した人の輝きの中心にあるものを受け入れ、最後は輝きの半分を連れ去ったフェリシア。
この共感の得にくい強烈な個性と愛の物語を言葉ではなく映像で組み立てたブラッドリー・クーパー監督に拍手。
49