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旗本退屈男 謎の七色御殿のmitakosamaのレビュー・感想・評価

旗本退屈男 謎の七色御殿(1961年製作の映画)
3.7
YouTubeにて、天下御免の向う傷。

今作は伊豆にある月照宮なる徳川家由来の神社が舞台。東の東照宮に対する西の月照宮という設定だそうな。
一応静岡には久能山東照宮があるから、そこがモデルなのかな?

将軍家の次男がいる月照宮だが、真っ赤な偽物。これを知った巫女が殺される事件が起こり、退屈男の虫が騒ぎ出す。
退屈の殿様が色々嗅ぎ回るが、事情を知る者が次々に殺され中々相手の正体がわからない。
それでも少しずつ証拠を集め、将軍家長男(山城新伍)が代参する日に偽物の正体を暴きだす。

先ずはセットの豪華さに目を見張る。架空の月照宮だが、大々的なセットが凄い。(一部でロケも使われてるが何処だろう?下鴨辺りかな?)
更に神社の裏道となる地下道も凄い。メチャクチャ巨大な鍾乳洞のセットだ。
鍾乳洞には本物の将軍家次男の死体が氷漬けになってる。コレも良い感じ。ちょっと八つ墓村の屍蝋みがあるね。

主水助の着物以上に派手なセットに、金をかけた時代劇の素晴らしさを実感する。

とにかく全編エンタメに満ちてる。話が停滞しそうな所では、こまどり姉妹や村田英雄の歌唱シーンがあるし、主水の助の部下に千代之助を、敵方のリーダーに月形龍之介、偽次男に菅貫太郎など起用するなどキャストも贅沢。

裏道の鍾乳洞に潜む、カラスの面の忍びに吉田義男など、一々面白いわ。敵忍者の武器が短い槍で、江戸時代前の得物だとか設定も細かくて楽しい。

退屈シリーズではかなり好きかも。全然退屈しない!
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