ノラネコの呑んで観るシネマ

流転の地球 -太陽系脱出計画-のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

4.3
急速に膨張する太陽から逃れるため、巨大エンジン群によって地球そのものを宇宙船にしてしまおうという、劉慈欣原作の超豪快SF大作、日本では配信スルーの一作目に続く第二作。
もっとも物語の時系列的にはこっちが前なので、単体でも無問題。
太陽系を脱出する派と、肉体を捨ててデジタル生命に進化する派が対立する中、脱出の準備が整う前に、月との衝突を回避する作戦が描かれる。
前作の制作時にはVFXに予算が回らず、主演のウー・ジンのポケットマネーで完成に漕ぎ着けたそうだが、前作のヒットを受けて予算も増えたのか、見せ場てんこ盛り、3時間の大長編となった。
今回は宇宙飛行士のウー・ジンと、天才AI博士のアンディ・ラウのダブル主演に近くなっていて、単なるアクションだけでなく、そもそも人間存在とは何か?などハードSF的哲学要素も多くなって見応えは十分だ。
凝った世界観を表現する、VFXのクオリティも素晴らしい。
ただ脚色で作り上げた話があまりにも複雑かつ壮大過ぎて、この尺を費やしてもダイジェスト感があり、全体に大味な印象になってしまってるのが残念。
大スクリーンの迫力は失われるが、ボリュームを考えれば、これも配信ドラマの方がフィットしそう。
同じウー・ジン主演の「戦狼」もそうだったけど、単体で完結してるとは言え、前作があることはもうちょっとアナウンスして欲しい。
タイトル出てとき「え?これ2?」って声上がってたぞ。
中国政府の偉い人が、2058年にも人民服着ててワロタw
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