抹茶マラカス

トレンケ・ラウケン Part2の抹茶マラカスのレビュー・感想・評価

トレンケ・ラウケン Part2(2022年製作の映画)
3.8
アルゼンチンからの刺客。
満員の下高井戸シネマ。264分勝負。あ、インターバルはあります。
12章に分ける、それはドラマだろ、という分け方ではあるが、まず第一章でエゼキエルとチーチョが消えた女性を探している。エゼキエルはブエノスアイレスから来た恋人だといい、チーチョもなんか思うところがありそう。
だが、ここの彼女を探す話は別に置いておいて、消える前に何をしていたのかを章を変えてお届けする。ラウラは、カルメン・スーナの送っていた手紙を偶然発見し、そこからこのカルメン・スーナという謎の人物に迫ろうと運転手のチーチョと探り、2人でいろんな考察を繰り広げては音楽がかかり、急に止まって別の意見がカットインしたり、店員がコーヒーを持ってきたりする。この音楽もヘンテコな電子音楽っぽさもあって、ジョン・カーペンターみたいな雰囲気を感じたり。

そうやってやっていたラウラとチーチョの熱中したカルメン・スーナのお手紙に関するお話は一切を忘れて向かうのがPart2。Part1に見られたジョン・カーペンターが担当してるんか、という電子音楽も終わりまで形をひそめ、ラウラ創作をちゃんとする。舞台はラウラが出演していたコミュニティラジオ局と、トレンケラウケンに現れた変異生物。結果的に1時間ぐらい、ただラウラの残した音声をラジオブースでチーチョが聞くだけの時間が続くという恐ろしい時間の割り振りをしている。
ラウラはどこにいったのか?みたいな謎自体を解く気は無く、そこに至るで考え、そしてそれを受け止め、そういう人たちの営みに着目した映画なのだろう。
終わってみて、破壊され尽くした自分の腰に手を当てて、でも、面白かったなぁ、とは思うのだ。