MACabuser

コット、はじまりの夏のMACabuserのレビュー・感想・評価

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)
4.6
映画史上、最も切ないラストシーン。
一言の台詞に、辿ってきた道筋のすべてが集約される見事さ、
題『The Quiet Girl』であることが傑出した「あわれみ」をもたらす

成人してからハイジを3周した私は早々に「これはハイジだな」
と感じていた、矢先「ハイジ」の描出が劇中で2回、
コットとの比較を促し本作が本歌取りであることを示す演出。

大人版ハイジということはすなわち、
コットは山でおじいさんと自由に暮らすことはできないのです
大人向けの〈現実〉において道理を捻じ曲げて「行きたい」「よし引き取ったる」
は成立しないので、ますます最後の一言が常軌を逸して哀しいんです
MACabuser

MACabuser