filmgram

パスト ライブス/再会のfilmgramのレビュー・感想・評価

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)
3.6
特別試写会@ニッショーホール

初作品×女性監督なのもポイントの本作は-

12歳で韓国と海外の離れ離れになった男女。
男はいつまでも初恋の彼女を思い続け、
女は海を渡って自分の夢を叶えようとする-
ふたりの24年間を70年代ニューシネマを
思わせる繊細な画と音で綴る切ない物語。

12年後の24歳でオンラインで再会、
さらに12年後の36歳でめぐり逢う2人。

劇中、『エターナル・サンシャイン』は観た?
というセリフが出てくるんです。そうです、
あまりにも切ない「愛と記憶」の映画。
叶わぬ恋を経験した全ての人が一度は思う、
「記憶を消したい」を映像化するという
アイデア、映像表現の恋愛映画の金字塔。
私の大好きな恋愛映画の作品です。

そんな切なさが終始じわーっと漂う本作は
"もし、あの時勇気を出してたら"-
そんな後悔や運命を変えたかもしれない
過去がある皆さんに突き刺さる作品です。

告白された人、告白した人、
告白しようとした人、片想いしてる人、
とか観る人の強い思い出や状況によって
見方、受け取り方が変わってくるかも?

あの時行動していたら今とは違う未来が
あったのかもと後悔することもあるけど
成就しなかったからこそ、切なくて
忘れられない思い出になるんだろうなと。

アーサーの言葉や表情、優しさから愛情が
すごい滲み出ててよかった。逆の立場なら
送り出せないし耐えきれない状況でした。

あとやっぱり作品の渋いなと感じた場面は
アーサーの立ち位置ですよね。
アジア人がこれまで憧れてきた白人。

その白人が、ホームのNYで、アジア人に
居心地の悪い立場を感じてるんですよ。
新しい切り口というか、ついにここまで
アジア人を押し上げた感がすごい出てる。

これまでの作品なら逆の立場ですもんね。
白人達は鑑賞してたら絶対感じるはず。

とはいえ、終始切なさが漂ってはいますが
感情を大きく動かすようなシーンはなく、
自分に重ね合わせたり、終わってからも
色々と考えたりして良さが滲み出てくる
ようなじわじわ評価上がる作品なのかなと!
自分は圧倒的にエターナル•サンシャインを
強く推します!笑
filmgram

filmgram