サイダー

パスト ライブス/再会のサイダーのネタバレレビュー・内容・結末

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

派手ではなく、劇的ではなく、過剰ではないタイプの運命。いや、本人たちにとっては深くて苦しい運命だろうけど。テーマが古典的で、現代でどう料理するのだろうと気になっていた。実際、まったく古典的ではなかった。ひとつひとつは劇的ではなくても、それが重なると……、どうなるんだ?それが重なると悲劇になる、とか書きたかったけど、そんな言葉で表せない。感動とも違う。もっと大きなものだ。言語、人種、年齢、仕事、場所、様々なものが入り乱れ、彼らの思い通りには行かなくなる。思い通り?そんなものないのかもしれない。どうしたいのか、どうするべきなのか、誰にもわかっていないはずだ。だからこそ厄介でもある。ラストシーンは本当に切ない。ヘソンの韓国的男気、昔の恋人(正確には違うけど)と別れて泣く妻を抱きしめるアーサー。この手の恋愛映画は悪者を作りがちだけど、誰も悪くないんだよな。誰かが悪くあってくれよ。