パスト ライブス／再会のなのネタバレレビュー・内容・結末

大きく物語が揺れ動くことはない作品であることは予告から予想していたので、途中で眠くなるのではないかと見る前は少し心配だったけれども、全く気にすることなくエンドロールまで見終わることができたし、結構楽しむことができた。
ロマンスはそんなに好まない自分が楽しめた理由として、この作品が時間の経過とともに人々が変わっていくこと、移民というルーツを持つことにより生じる他者との差異、その上で変わらないものを、あくまで劇的になり過ぎずに淡々と描いていたからだと思う。例えば、SNS上で表示される名前、寝言では韓国語を話すノラを自分は理解できないのではないのかと不安を抱くアーサー、当然のようにハグをするノラを最初は躊躇しながら受け入れるヘソン。
監督が元々劇作家であることもあり、間の取り方や対話の描かれ方が演劇的だったことも好きになった理由の一つだと思う。ストレートプレイ的な演出が好きなので。
派手な作品ではないけれどもアカデミーにノミネートされたのも納得の力作でした。