Kapporiya49

パスト ライブス/再会のKapporiya49のレビュー・感想・評価

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)
4.5
NYCで生活するノラの顔の強さと対象的なヘソンの自信の無さそうな表情、特にNYCで初めて会う時の彼の表情や手の置き場や立ち姿がとても印象的だった。

お前彼女居るって言ってんけど、嘘だろうし、そもそも童貞だろ?という感じ。あの立ち振舞のぎこちなさは中学生が初めてデートに行く時のものだと考えるとしっくりくる。

何と言っても、本作のキーワードはセリフでもで言われる「縁」。
もちろん元は仏教由来の語。
12歳に分かれたノラとの「縁」に自分勝手に惑わされ、24歳にネットで探し出し、36歳で彼女との「縁」は恋にはなり得ないと気づく。
既に観てから1ヶ月近く経った今本作のヘソンを考えると、なんと不憫な人なんだと思ってしまう。

二人がNYCでの最後のお別れの時に見せたアパートからUberとの待ち合わせ場所に往復するシークエンスとノラの涙は、彼女の36年の人生が凝縮されているようで素晴らしかった。



FacebookとSkype
2012年頃、Facebookで過去の知り合いと出会い直して呑みに行ったりしたな〜、その頃はリモートで人と話すってSkype一択だったな〜と懐かしくて堪らなかった。
特にSkypeのあの音楽とポチョンという効果音を久しぶりに聴いて、Skypeで繋いでUstreamでグダグダ話をしてた頃を思い出した。



照明
昨今の高評価の映画は共通して照明が素晴らしいとどっかの評論家が言ってたような気がするが、その通りの素晴らしい画作りの映画だった。
ソウルの居酒屋の照明がオシャレかつ懐かしく感じるし、ポスタービジュアルでもえがかれているメリーゴーラウンドのシーンにはクラクラさせられるし、NYのバーの明暗も良いし、何と言ってもアパートからウーバー待ち合わせ場所までの行って戻ってのシークエンスの明暗が最高すぎる。
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