2021年9月23日公開。なんで当時観にいかなかったんだろう?と過去の自分が不思議でしょうがない。『ミッシング』のタイミングで初観賞。
あらすじから分かりきっている冒頭一連のシークエンスにびっくり。
え?今万引きした?という驚き、え?そんなに追いかける?という驚き、そして、カノンちゃんが車に轢かれるさまに衝撃!
そしてタイトルの「空白」のクレジットの表示。
完璧なオープニングだった。
その後の記号的な典型的なキャラクターたちのベクトルが交わらない、交わらないどころか反発し合うコミュニケーションに辟易とさせられるも、でもこれが空白の意味なのかなと思い始めた。
目立つのは古田新太演じるミツルと寺島しのぶ演じるクサカベさんの主張できるキャラクターのいびつさだけど、『ミッシング』の弟くんにも通じる言いたいことを飲み込んでしまう人々の描写で、本当にこの監督は日本人をよくわかってるな思った。
特に、クサカベさんと一緒にボランティアに従事している名前の無い女の子、彼女のキャスティングしてあの演技をさせるのは凄いなと思った。
最後には登場人物たちの100m離れてた距離が90mくらいには縮まるが、その少しの歩み寄りだけでも救いを感じた。