ヤマダタケシ

パスト ライブス/再会のヤマダタケシのネタバレレビュー・内容・結末

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

2024年5月 TOHOシネマズシャンテで
・観終わった後に話したりしたが、美しく補正された想い出という感じがした(美しい映画だった)。
└再開したふたりの後ろに映るメリーゴーラウンド、橋、ふたりが乗るフェリー、流れる川等々、あらゆるものがふたりの半生、再会した事の意味に回収されていくような。
→その意味で言うと、主人公が脚本家、今のパートナーが小説家というのもあると思うが、あらゆる出来事が物語としての引力(当然そこには彼らが信じるイニョンという概念もある)に引っ張られている、というか物語の引力でみんな考え過ぎな気がした。特にパートナーの方は、ある種メタ的と言うか、これが物語だとしたら(映画だから物語なわけだけど)自分はふたりを引き離す邪悪な白人男性だ、と言う。なんというか、その物語として捉えてしまって不安になるというのが面白かった。
→またその意味で言うと、再会する二人にとっては物語としてのドライブがめちゃめちゃかかっていたと思う。なんというか冷静に、ここまでこのふたりがロマンチック過剰になるのは、ふたりが会話はしていながらずっとあっていなかった=お互いのカッコ悪い部分を見ないで済むような過ごし方をずっとしていたからだと思う。だからこそある意味再会する物語にめちゃ酔っているような。
・この映画に限らないけど、ふたりのラブシーンのために待たされるUberのドライバーの気持ちが本当に気になってしまった(でも見送ってから自宅の前まで歩く、待っている夫のワンカットは良かった)。
・オープニングのバーで喋っている三人はどんな関係なのか?第三者の視点=観客の視点で類推するのが面白かった。男二人、女一人なら男二人がカップルで女は片方の姉とかそういうのも想像できるんじゃない?とか思ったけど、実際三人の話している内容、というか再会した二人が話している内容が分かるシーンで、その想像はできないなと思った。