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Bad Living(英題)のCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

Bad Living(英題)(2023年製作の映画)
2.5
【ホテルを舞台にした昼ドラ的ねっとり人間関係】
第73回ベルリン国際映画祭にてユニークな作品出品をされている方がいた。それがジョアオ・カニージョだ。彼はコンペティション部門に『BAD LIVING』、エンカウンターズ部門に『LIVING BAD』と似たようなタイトルの作品を発表した。審査員賞を受賞した前者は、ホテル従業員側の視点。後者は宿泊客側の目線でねっとりとした人間関係を描いているらしい。つまり、本作は2つで1本のような作品なので併せてレビューしていく。

ヌリ・ビルゲ・ジェイラン『雪の轍』のような作品を想定していたのだが、正直『BAD LIVING』は室内で延々と会話をつなげているだけで映画としての面白さをあまり感じることができなかった。いきなり出鼻をくじかれたと思いながらおそるおそる『LIVING BAD』を観たら、こっちは空間の使い方がめちゃくちゃ面白い。階段と階段の隙間から人を捉えたり、ガラスの反射を使った複雑な構図を作り込んだり、昼ドラにおける見る/見られる、人の噂への下衆な関心を空間で表現しているところが良かった。また、サスペンスとしても面白く、プールサイドの女に呼ばれているのに、男は給仕と白昼堂々イチャコラしている場面のバレるかバレないかサスペンスは見応えがあった。全体的にピンとこない作品ではあったが、『LIVING BAD』は発見が多かったと思う。
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