[私はスタントウーマンになりたいんだ!!] 40点
ニダ・マンズール初長編作品。スタントウーマンに憧れるイギリス系パキスタン人の少女リアが姉の怪しい結婚を阻止しようと奮闘する話。スタントというのは、安全と魅せ技を両立する職業というのが私の認識だが、いきなり冴えない主人公とイジメっ子とのバトルが始まるのでポカンとしてしまった。スタントが出来るのと喧嘩が強いのはイコールではないのでは?しかも、香港映画みたいなアクションなので、デフォルメされた身体性という意味で自己無撞着的な上に荒唐無稽さも増してしまい、更に撮影がもっさりしているので、なんだか全てがチグハグな気がする。すると物語は、パキスタン人お母さんコミュニティのドンみたいなラヒーラが、30代独身息子のためにパーティを開いて、リアの姉レナがそいつにゾッコンになるという展開に流れていくわけだが、スタントウーマンになる夢をガキの夢物語として否定され云々という前半から話がすり替わっていって、本人はただ喧嘩が強いと勘違いする少女みたいになってるし(これは反抗する相手なんかそもそもいなかった!という捉え方も出来る?…違うか)、最終的に"女の敵は女"みたいな感じになってるし、何が言いたいのかさっぱり分からなかった。クリシェから外そうとして外しすぎたというかなんというか。ガッカリ映画オブ・ザ・イヤーです。まぁスタントウーマンを目指すパキスタン人少女という設定から私が勝手に読み違えた部分も多分にあるとは思うが。ちなみに、浅川マキ「ちっちゃな時から」が何故か流れる。こういう謎日本曲登場映画リストをそろそろ作りたいな。