Kota

SCRAPPER/スクラッパーのKotaのレビュー・感想・評価

SCRAPPER/スクラッパー(2023年製作の映画)
3.9
“必要ないと思っていた。”

サンダンス映画祭2023にてワールドシネマ部門の最高賞を受賞した本作。イギリスの郊外にて母親を亡くし一人で社会保障を受けながら暮らしていた12歳のジョージ。そんな中、生まれてから一度も会ったことのない父親ジェイソン(ハリス・ディキンソン)が現れる。

愛おしい。八方塞がりな状況でも、一瞬の温かさにクスッとできる素晴らしい作品だった。結局大切なものって言葉で表現するものじゃないのかな。ヘタクソなダンスシーンたまらんな。取り留めもないストーリーが、役者の演技や撮影、編集によって大切にしたくなるものになっているのは映画の力たるものだなぁと。物語は終わるけれど、この先も続くなんともない日常への入り口のようなエンドロールが大好きなやつだった。
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