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ソウルメイトのmasososoのネタバレレビュー・内容・結末

ソウルメイト(2023年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

まだ早いですけど暫定年間ベストです。

号泣に次ぐ号泣、それでもまだ感情が追いつかないくらいゆさぶられた。
まだ消化し切れてなくてまともに感想が書けないのでメモのみ。

まだ何も起こっていない2人の幼少期のふれあいの時点でもう泣いてた。なんでかわからないけど、かけがえのない宝物を覗かせてもらってるような気になっていた。

昨今、同性の恋愛を描く作品は本当に多い、そんな中で純なる友愛を描いてることがまず刺さってきた。
“ソウルメイト”最近読んだ52ヘルツのクジラたちに“魂の番い”という表現があったが2人はまさにそれだなと思った。
大好きだけど憎んで大嫌いで、でも誰よりも愛している。
ミソとジヌの不貞の現場でハウンがあなたを一番愛してるのは私だとか言うんだもん。超越してるよ。

絵を描くと気持ちが見える。
被写体ではなく自分がその人をどう思ってるかが見える。
だからできるだけありのままの姿を描く。
ハウンの絵は超写実主義と言われるスタイル。この手の絵に対する批判は決まってリアルなだけなら写真でいいというもの。
ジヌが言った君の持っているのは才能ではなく技術って言葉もこういった偏見によるものだよな。
ハウンのスタイルは彼女にとっては心の対話でもあって、だからあってすぐのジヌの絵を描きたがったわけだし、大事にしていたものだったんだよな。

ミソがソウルに移って1人で住んだ高台の家。その頃の手紙の住所からハウンがそこに住む。壁を塗り直す時にニコちゃんマークを見つける。
時は流れてハウンの荷物の整理に訪れたミソが塗り直された壁のニコちゃんマークの一角だけ残されてることに気がつく、壁にはミソが送ったバイカル湖の葉書、そして大きなキャンバス。引いた伏線の回収の仕方がいじらしいし、その視線誘導が素晴らしいのよ。
描きかけの絵を2人で完成させるくだり、そのバックで語られてるのが太陽と影のエピソードとかさ。演出gjだ!

「次はあなたを描きたい、愛がなくては描けないような絵を」
これはミソがハウンとして次なる作品を描く時にはハウンの姿を描くってことだよな。その直後のカットで白黒のハウンが映し出される、やがて色付いてバイカル湖にいるハウンの眼差しに変わっていく。
こういう演出がめちゃくちゃ上手い。

終盤はifの回想が時折挟み込まれてきて若干わかりにくい。でもその回想で泣かされて、事実の回想でまた泣かされて、これで感情ぶん回されて結果感動してしまってる。やられた。

高校時代のミソが魅力的すぎ。
そこから嫌ぁな女になってく様もカチッとハマってるし。
キムダミ見事と言うほかない。
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