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ビヨンド・ユートピア 脱北のfilm727のレビュー・感想・評価

4.1
脱北の手助けをしている牧師のもとへ、若い男性一人での脱北と、逆に幼女二人と老婆を含む5人家族での脱北の2つの相談が寄せられ、同時並行で追って行く。合間合間に脱北に成功した元北朝鮮住人のインタビューが差し込まれ、観客は北朝鮮での生活について知識を深められる構成になっている。その中でも最も印象に残ったのは、北朝鮮では人糞を今も肥料として使っているが、その量が少ない事も懲罰の対象となる為、足りない場合は近くの家などから人糞を盗んででも決められた量にしなければならない事。それを袋やバケツに入れて子供は学校、大人は勤め先に持って行かなければならないという話に1番驚いた。

隠し撮りでの脱北の様子は非常にスリリング。もし捕まって北朝鮮に戻されたらどうなるかということが作品内で周知されているため、ここが映画館だということを忘れるほど緊張した。

結果は書かないが、今もこういった危険な脱北が繰り返されているかと思うと本当に独裁国家というものの恐ろしさを感じた。
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