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ゴジラ-1.0のfilm727のレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
4.6
英語字幕付き上映1回を含め計3回鑑賞。とにかく上映後の爽快感が素晴らしく、何度でも見たくなる作品。たかが怪獣映画と馬鹿にしているような人も、一度見れば必ず好きになる、大人も十分楽しめる傑作だと思います。

中でも一般にはアカデミー視覚効果賞を取ったことでCGが注目されがちですが、自分は山崎監督が第30稿まで書き直しを重ねたと言われる脚本が一番素晴らしいと思いました。嘘をついて神風特攻から逃げた、トラウマを抱えた復員兵敷島(神木隆之介)の立ち直りの物語を中心に据えるアイディアが出色ですし、当時とても多かった戦争孤児の問題や、実際にもあった危険な機雷除去の仕事が丁寧に描かれている点なども、従来のゴジラ映画には無かった重厚で優れた脚本だと思った点です。

また、山崎監督が「ゴジラが実際にいると思ってもらうために、とにかく上手い役者さん達を集めた」と語っていたように、役者陣の演技のレベルも高いです。中でも安藤サクラ、浜辺美波、青木崇高、佐々木蔵之介の演技が心に残りました(逆に主役の神木隆之介君は演技としてはイマイチかも)。

他に、日本アカデミー賞でも最優秀撮影賞、最優秀美術賞、最優秀編集賞・・といった裏方の賞をほとんどゴジラ-1.0が独占していた事からも分かる通り、作品自体のクオリティがとにかく高いです。

ゴジラとか怪獣映画なんて興味が無いと思ってまだご覧になられていない方にこそ、一度騙されたと思って劇場で鑑賞されることを強くお薦めします。絶対に後悔しないと断言できます。
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