film727

鬼畜のfilm727のレビュー・感想・評価

鬼畜(1978年製作の映画)
4.9
有名な映画ながら、タイトルの怖さから今まで敬遠してきた事を後悔しました。予想を遥かに超える面白さで、鑑賞後の後味もタイトルから受ける印象ほどは悪くなかったです。


児童虐待のシーンはどうしても出て来ますが、この映画の本質は小川真由美、緒形拳、岩下志麻という演技の達人3人の演技合戦にあり、見るのが辛い児童虐待のシーンもこの3人の演技の上手さに驚嘆しているうちに終わっていました。この演技で多数の賞を受賞した緒形拳はもちろんですが、子供を虐待する岩下志麻の演技も本当に鬼気迫る怪演で、単なるルックスがいいだけの女優とは完全に一線を画しています。後の「極道の妻たち」へのキャスティングもこの演技で決まったようなものではないでしょうか。


また1970年代半ばの東武東上線川越市駅や男衾駅近辺の映像がよく出てくるのも、東上線をよく使っている者としては面白かったです。


一つ気になったのは芥川也寸志氏の音楽で、まるでジョーズのテーマをパクったような曲調になっており、この点だけが非常に残念でした
film727

film727