大陸

マリウポリの20日間/実録 マリウポリの20日間の大陸のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

この作品の中で、遺体を集団墓地に埋葬している最中の市役所の人へのインタビューがあった。
今の気持ちを聞かれ「人はこういう時何を思うのが正解なのか」という趣旨の発言があった。
この言葉が一番心に刺さった。
観終わったあと、自分も何を思って感じれば良いのか、もしくは今ある気持ちをどう表現すれば良いのか、全く分からなかった。
物語では表現し得ないCGではない現実。
次々と病院に怪我人を運ぶ救急車、銃痕から覗く風景、滴る血、治療中に泣く看護師、もう助けられないと絶望の中でしゃがみ込み項垂れる医師。
これが現実なのか。
自分はTOKYOMERが大好きだ。それは変わらないが、でもそうではないのだ。
段々と包囲されていき、病院が一つ二つと攻撃され、残った病院で赤ちゃんが産まれたシーンは涙が止まらなかった。

映画館を出てまず目に入ったのが、歌舞伎町で人がごった返す中倒れてる人を救急隊員が介抱する姿。
初めてこの映画を観て良かったと思った。

国家、民族、宗教の対立。
或いは家族、友人など身近な人との対立。
それぞれに大義があり正義がある。
譲れないものがあるから争いは起こる。
命、体、心、色々なものが犠牲になる。

今日が幸せだと思い、ならばその幸せを明日に繋げるために日々を精一杯生きていこう。
そう思わせてくれる作品でした。
大陸

大陸