ねぎおSTOPWAR

ロ・ギワンのねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

ロ・ギワン(2024年製作の映画)
3.9
辛い話ですよ。
北朝鮮ってその本当の市民の姿ってほぼ誰も知らない。
拉致被害もテポドンも一部の人間の仕業であって、9割の国民は貧困にあえいでいる。「愛の不時着」に出てくる北の人々・・脱北者に言わせると「あれはいい暮らししている人々ですよ」と。

ロ・ギワンと母は既に脱北して中国延辺ヨンピョンでひっそり暮らす朝鮮族。
中国もまた北ほどではないにせよ経済格差は明確にあり、”普通の暮らし”は・・特に地方のそれは貧しさしかない。そんな中で朝鮮族はじめ少数民族は快適な扱いを受けていじめられ・・

そして舞台のベルギー。
難民申請をするもその実態がつまびらかにドラマとして描かれるのです。

いやあ辛いわあ。

日本は難民の受け入れを国として拒否し続けています。
・・もし受け入れたら・・
群馬で起きていることを考えるとベルギーや中国と何が変わろうか。
既に在留許可を受けている人々へすら陰湿ないじめがある国ですからね。

この「いていいんだよ」つまり”所属する”って行為の、なんと排他的なこと。そこには明確に非所属という概念が生じる。「無慈悲でも問題ない」って発想も悪くなくなってしまう。


この映画がね、ソン・ジュンギが演じている事実が凄い。
いかにもプリンス的な容姿の彼がロ・ギワンになる(なり切れていると思うかどうかは今は別😅)んですからねえ。汚い格好と貧しい暮らしをしている人に典型的な仕草や動きが見えました。

ちょっとだけネタバレ・・






最後のアレって「パラサイト」で言うところのギウの話?・・・
小さな幸せのなんと尊いことか。

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