シネラー

バイオハザード:デスアイランドのシネラーのレビュー・感想・評価

3.5
ゲーム『バイオハザード』シリーズの
CG映画最新作を劇場鑑賞。
シリーズ初期からの主人公が勢揃いする
キャラクター映画として見事な映画だった。

物語としては、サンフランシスコで
ゾンビ化事件が発生する中、
ゾンビ化した被害者の全員が
アルカトラズ島を訪れていた事が分かり、
ジル、クリス、レベッカと
調査に協力するクレアと別件で
動いていたレオンが一堂に会し、
アルカトラズ島でのバイオテロに
対処していく内容となっている。
『バイオハザード5』以降のゲーム本編
で暫く音沙汰無かったジルが再登場し、
ジル、クリス、レオン、クレア、
レベッカという歴代主人公集結する、
正にバイオ版アベンジャーズな内容は
ファンとして嬉しい限りだった。
ゲーム本編にそれまで無かった
キャラクター同士の組み合わせに、
ゲーム本編や前作までの出来事が
随所で語られており、
笑みが溢れる要素が多くて良かった。
オープニング映像が
前作"ヴァンデッタ"だけじゃなく、
ゲーム版の"1リメイク"に"RE:2"と
"RE:3"や"6"の映像も使用されているのが、
テンションの上がるオープニングだった。
CGのクオリティも前作から更に高く、
冒頭から実写のように感じる
とてもリアルなCGだった。
閉鎖的なアルカトラズ島を舞台とした
バイオハザードという絵面も良く、
爆発的に発生するゾンビや
ジルとレオンに忍びよるリッカーの場面
が印象的だった。
アクション場面も豊富であり、
冒頭でのレオンのバイクアクション
から始まり、
クライマックスでは多くの武器を
用いて攻撃していく主人公勢には
ミリタリー的な面白さもあって良かった。

不満点としては、
敵側であるディランの思想が
滅茶苦茶で共感が難しいところだった。
主人公側と同じ様な境遇を辿りながら
悪に堕ちた人物ではあるのだが、
その持論は飛躍し過ぎだと思った。
物語の上でも抜け目が目立ち、
ジル以外の面々を無力化した後に
ジルをあえて放置した事で
形勢逆転されるのは滑稽だった。
又、序盤からジルが抱える負い目に
関する言及があったが、
物語を通してそれを払拭するという
描写が弱く感じられた。

シリーズのCG映画の中でも
爽やかな大団円となっており、
歴代主人公達による派手なアクションと
共に満足感ある映画だった。
『バイオハザード』映画の総決算と
言える作品であり、
スクリーンでもう一回観たいと思った。
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