シネラー

名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)のシネラーのレビュー・感想・評価

3.5
この季節になると
過去のコナン映画を再鑑賞しているが、
今年は劇場版第10作となる本作を再鑑賞。
事件その物が地味で人物の状況が
二分されている事での拙さも感じるが、
オールスターな内容と事件の顛末は
嫌いになれないコナン映画だ。

謎の依頼人から遊園地に呼ばれた
コナン達が爆弾付きのフリーパスを
着けられてしまい、
依頼人からの謎を解決する為に
12時間というタイムリミットの中で
奔走する内容となっているが 、
人質をとられて
事件の手掛かりない状態から始まる
サスペンスは緊張感があって面白かった。
いつもの面々に服部平次や怪盗キッド、
はたまた白馬探といった
キャラクター総登場が嬉しく、
それぞれ格好良い場面がある中でも
美味しいところを持っていく
キッドが大好きだ。
出番は少ないながらも
細かいキャラクター描写も良く、
爆弾を着けた子ども達を気遣って
その場に残ろうとする阿笠博士や
目暮警部に結局は空回りではあるものの
必死に捜査する小五郎が好きなところだった。
遊園地側で唯一事情を知る
灰原が皆を引き止めようする部分も面白く、
結末での元太に対して
「動くと死ぬわよ」は劇場で観た時から
笑ってしまう場面だ。
又、本作の容疑者を演じている
古谷徹や平野文だが、
今や作品内で別の準レギュラーキャラを
演じているのが微笑ましいところだった。

コナンをはじめとする探偵側と
人質となった蘭達と状況が二分されるのだが、
蘭達が人質となっている
状況を知らない為に遊園地内を
普通に過ごしており、
そこで巻き起こる騒動も
サイドストーリーという印象が
強いのは残念だった。
更に言えば、
コナンの正体が依頼人にばれてしまうのだが、
判明方法はともかくデータ自体は
どうしたのか気になるところだった。
事件自体に関しても、
ある意味では探偵らしい
サスペンスが織り成す真実ではあるが、
賛否ある事件の描き方だとは思った。

探偵達の地道ながらも
捜査から導く真相が印象深く、
コナンファンの為のオールスター映画
という印象も強いが、
この頃のコナン映画の中で好きな作品だ。
シネラー

シネラー