Jun潤

もう一度生まれるのJun潤のレビュー・感想・評価

もう一度生まれる(2021年製作の映画)
3.5
2023.04.07

予告を見て気になった作品。
まさか『湯道』とほぼ同時期にお風呂ムービーを観れるとは。
しかもこちらは実話を基にしてスーパー銭湯の清掃員やコロナ禍による閉鎖という現実を突きつけてきそう。
同時上映のドキュメンタリー『還る』についてもこちらでレビューします。



『もう一度生まれる』☆3.6
スーパー銭湯「おふろの国」。
0時の閉店後、清掃員たちの仕事が始まる。
床をブラシで擦る音、お湯がろ過機へ還っていく音、普段は聞こえない音に溢れている世界。
コロナ禍の煽りを受けて閉業してしまう店内に、4人の男女が集う。

なんか、これも一つの映画の完成形だなーって感じでしたね。
1テーマ1シチュエーション1ムービーといった感じで、張る描写も回収する描写も最低限、セリフや演出も抑えているけど、ちゃんと作品として成り立っている。
年長組は無くなる銭湯を憂い、若者組は次代の担い手として不安に駆られる。
それぞれ違う葛藤を持ちながらも、目の前の仕事をこなし、響く音から救いを得る。

僕も小さい頃10数えたら出ていいよって父に言われましたけど、今思うと結構長かったな…。



『還る』☆3.4
神奈川にあるスーパー銭湯「おふろの国」。
そこの清掃員主任・井上勝正は、閉店後から翌日朝に向けて行われる清掃に想いを馳せる。

元レスラーという異色の経歴を持つ井上さんの、清掃という仕事、銭湯という場所に対して感じていることを実直に映し出す。
やはりシンプルイズベストもまた映画の形。
井上さんだけでなく、限られた出演者、限られたシチュエーションに絞れば、人間誰しもドラマや熱い想いに溢れているものなんだなと感じました。
Jun潤

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