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コヴェナント/約束の救出のtagomagoのレビュー・感想・評価

コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)
4.0
ガイ・リッチー映画といえば特に初期作の頃は気取りすぎという印象があったが最近の作品は力が抜けた佳作の娯楽作品を出し続けている印象。本作においても過剰な演出は避け非常に的確な演出を選び続けており力作である印象を受けた。

重傷を負った曹長を背負って基地までの100キロをひたすら歩き続けるという流石に無理だろという展開を迷いなく写し続ける。また、緊迫感のある展開の中でいきなり警備保障会社のパーカーがすべて持っていく展開にも驚く。このことが事実なのかは不明だが、事実から着想を得た話ということでかなり無茶な話を補強している。実話と逸話を掛け合わせた物語は無理がないように見える。逃亡劇としてのダイナミズムも確保されており、同系統の「ローン・サバイバー」の方が好みだが、凄惨さや絶望的な展開は同じくらいある。しかし、中盤のメタルギアみたいなゲームっぽさはある種の作業ゲーがして変な感じがした。いきなり世界観が狭くなったような不思議な感じがして忘れられない場面でもある。

戦争映画としては一応、批評的な目線が追加はされていて、自己批判をしている。しかし、タリバン側までは描ききれていないような気がする。2人の友情とはまた違うような恩義の物語として観るのが良い。
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