失踪した妹の娘を連れてパウワウへ向かうヒューマンドラマ。
未成年者の後見人資格に満たない理由から裁判所命令で妹の娘ロキと引き離される伯母ジャックス。
ロキは母親と踊る約束をしたインディアンの祭り “パウワウ” で母親に会えると信じ楽しみにしているが、ロキを引き取ったジャックスの実父夫婦はそれを許さない･･･
日本人にはピンと来ないが、ネイティブアメリカンへの差別意識は根強くあるらしく妹タウイの失踪捜索にFBIも腰が重い。
ジャックスも定職がなく失踪した妹もヤクの売人をやっていて、結局悪事に手を染めないと生きていけない社会に問題がある。
民族を尊重し銃規制をすれば不要な犯罪者が減ると思うのは素人考えか。
それから孫娘が行きたいと言っている祭りくらい連れてってやれば何にも問題は起きなかったのに。
彼女達を取り囲むアメリカ人が何を嫌って何に拘っているのか理解出来ず、罪のない者を追い詰めて罪を作っている仕組みが腹立たしい。
だから追悼ダンスをする2人の純粋な姿がグッと胸に迫ってきて切ない後味となった。
ジャックス役は「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」でアカデミー賞主演女優賞ノミネートのリリー・グラッドストーン、時に厳しく時に優しく押しの強い演技が素晴らしい。
映画デビューのロキ役イザベル・ディロン・オルセンの可愛さも印象的で端正な顔立ちが先々楽しみな美形。
理不尽な差別社会に問題提起する佳作。
良かった。
監督 エリカ・トレンブレイ
キャスト
リリー・グラッドストーン
イザベル・ディロン・オルセン
ライアン・ベゲイ
シェー・ウィガム
クリスタル・ライトニング
オードリー・ヴァシレフスキ
