あさ

夜明けのすべてのあさのレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
4.3
当たり前と言えばそうなのだけれど、本を読んだ時とは全然違った表情の映画だった。不思議だなあ。プラネタリウムがこんなに輝く物語になるなんてさ…。静かで澄み渡る景色も、なんのヒーリング効果よ。

PMS(というかもう、PMDDに区分されるのかもしれない。いずれにせよしんどい)もパニック障害にもやられたワシは原作を読んでいる時に、なんだか全てが説明的に感じて苦しかったりしたんだけど。映画化したら更に説明的になってしまうのでは、グロイのではと勝手に被害妄想していたようで。そぎ落とし、付け足し、これが原作者から見てどうかは分からぬ所だけど、映画版『夜明けのすべて』としてはこれ以上心地よく届く描き方は今のところ無いのかもしれないと思った。全体的に説教臭さがないのかも。社長さんとか弟さんの話もミニマムだったから、逆に削ぎ落ちすぎ?な勢い。

声に出す、弱いところを話す、それは多数に対してでなくてもいい。話せる人にだけでも。それだけでも本当に変わるもの。私は薬よりも、人に話すことで教室に座れるようになったから。でも生きてる意味はまだ分からなくて死にたいんだなあ。なんか、外に出て耳を澄ませて呼吸しようと思った。なんか、どこか遠く安全な所に行きたいなあ。存在しないかなあ、そんなところ。
あさ

あさ