このレビューはネタバレを含みます
2D/日本語
穏やかでゆったりとした映画。特に大きな出来事が起こるでもないが、終わりには彼らと観客の世界の何かが変わる。痛みを知る人は、他者に優しく寄り添える。泣いた。
16mmフィルムの映像、物語に干渉しすぎない劇伴、主演2人の演技(声が良い!)、光石研さんをはじめ脇を固める役者陣の空気感…どれをとっても素晴らしく、ずっと見ていたくなる。わざとらしさがほぼ排除されている展開や台詞回しも本当に完成度が高い。
繰り返しに思える日々と自転・公転。今はここにいなくても声で主人公たちを導く人物と星の光。もう、上手すぎる。映画が。
栗田科学を理想郷のように感じる人もいるかもしれないけど、今作を観た人だけでも意識を変えていけばそう遠くない社会なんじゃないかな。それにしても久保田磨希さんは職場に一人いてほしすぎるね。
当事者でも家族でも恋人でもなくても、全てを理解できなくても不器用でも、助けられることは、ある。