名波ジャパン10

夜明けのすべての名波ジャパン10のレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
4.2
上白石萌音と松村北斗の朝ドラ「カムカム・エブリバディ」コンビによるヒューマンドラマ。カムカムの際には2人の演技があまり好きではありませんでしたが、本作品では神経症を抱える役柄を好演。2人を暖かく見守るかつての同僚・上司、同じ職場の町工場の人々。みんないい人のドラマは往々にして嘘臭く、主人公の本当の痛み、辛さが伝わってこないものですが、2人の迫真の演技で精神を病むことの辛さが伝わってきます。ただ、本当の辛さは誰にも判らないという本人の想いと少しでも理解しようという周りの想いとの葛藤。お互い辛さを抱えているが故に相手の痛みを判り合おうとする2人が徐々にその距離を詰めていく過程が心地良いドラマですが、同じ悩みを抱える人達にとってはどう映るのだろうと考えさせられました。