夜明けのすべてのtdswordsworksのレビュー・感想・評価

周囲からは見えにくい生きづらさを抱える人たちをやさしく活写する映画として鮮烈な印象を残した「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」が大学生版だったとすれば、本作は若手会社員版である。そう遠くないうちにこの手のやつの壮年版が撮られたらいいなと思ったりする。
周囲に迷惑をかけやしないかとびくびくしたり、こんなはずじゃないのにと自己嫌悪にハマったりする彼らが緊張感とともに関係を築いていくシリアスな展開の中に、日常によくある喜びや笑いを観客も一緒に体験していけるところに本作の秀逸さがある。