ジョンレモン

夜明けのすべてのジョンレモンのネタバレレビュー・内容・結末

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

【総評】

自分も含めてだけど、人それぞれ(言えない)事情を抱えつつもなんだかんだ生きていることを改めて感じられる作品だった。自分のことでも他人のことでも【全てを「理解する」】んじゃなくて【「理解しようとする」努力とか過程】が大切で、この映画の中でも山添くん(北斗)がPMSを理解しようと先生に「PMSの本無いですか?」とか聞いたりして理解しようと、寄り添おうとしていた。

その事情というのは、病気の一点ではないということを言い方は悪いが上手く上司役の方を使って表現していた。楽しそうに見えるあの子もぼーっとしてるように見える公園にいる人も隣にいるおばさまもみんなみんな大きくとも小さくとも何かはどうしようもならない事情を抱えていて、、、っていうことを電車に揺られながら感じながら帰宅している。

人はいつからでも変われる、変えられるんだなー(まあ頑張って周りの人が強引に変えようとするのはほぼ無理に近いけど影響を与えれることはできる。だが本当に変われるかは本人次第なんだな)と感じた。
  
あと「ふつう」ってなんだろう。って。

なにがあっても「生きる、生きていく」を表現していていた。このテーマにするとどうしても綺麗事になってしまい嫌悪感を持つ場合が多いが、生きる希望を少しずつ静かに与えてくれるような作品であった。わかりやすく言うと、熱血に頑張れ!!と応援する。というよりもゆっくりでもいいから一緒に歩みを進めていくようなイメージ。

ぽわぽわした感じの優しい雰囲気の映画でINFJを感じた。私はこの藤沢さん(萌音ちゃん)の生活はできないと感じた。そのため自分事のようには感じられず感情移入はほぼ0だったが見ていく中でイライラしたりはせず落ち着いて見ることができた。

監督さんの「日常を切り取る」が本当にお上手。ここを撮るのか(取るのか)いいなぁ。とあたたかい気持ちになれる。



【講評(?)】

泣く要素はない。でも1000円払う価値は全然ある。

セリフと配役が解釈一致を超えた。冒頭の方にあるあの冷酷なセリフ。北斗、大正解だよ。

人の人生とかにお邪魔してるような感覚になる映画だった。若干ドキュメンタリー感ある。本当ちょっぴりだけ。

丁寧に少しの人生が描かれていた。良い監督。またこの監督の作品を見てみたいと思った。楽しみ。
ジョンレモン

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