めかぶおじさん

夜明けのすべてのめかぶおじさんのネタバレレビュー・内容・結末

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

 パニック障害については、随分前に観た映画「アナライズ・ミー」で知っていましたが、PMSという病気については、恥ずかしながらよく理解していませんでした。この作品を通して、これらの病気の一番の敵は、周りの人間の無理解であることを痛感しました。

 栗田科学で働く藤沢さんと山添くんは、それぞれ病気が原因で前の職場を辞めています。ベストは前の職場で病気を告白し、周りの理解を得ながら病気と向き合うことだったのかもしれませんが、それは勇気のいることですし、病気を理由に務まらなくなる仕事もあるでしょう。なかなかそうもいきませんよね。

 自分の病気の方が苦しいと考えていた山添くんは、自分のことで手一杯でしたが、主治医の先生にPMSについて聞いてから変わり始めましたよね。「3回に1回は助けることができる」と藤沢さんに言ったり、イライラしていたら深呼吸やクルマを洗うことを勧めたり。

 藤沢さんもイライラしてトラブルになったら休みなのに会社に来てクルマを洗ったりと、自分の病気を少しでも克服しようと前に進んでいましたね。栗田科学の社長や社員たちは、そんな2人を温かく見守っていました。こういう環境が大切なんだと感じました。