めかぶおじさん

ボブ・マーリー:ONE LOVEのめかぶおじさんのネタバレレビュー・内容・結末

ボブ・マーリー:ONE LOVE(2024年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

 ボブ・マーリーについては一切知りませんでしたし、レゲエという音楽は実はよく分かってない人間の一人です(笑)。そんなファンですらない私みたいな人間でもこの映画は大丈夫です。この作品は「考えるな、感じろ」映画でした。

 現代の日本に生きている我々なら実感できていると思いますが、いつの時代も人間は金と権力に取り憑かれるとロクなことにならないことがこの作品でも描かれています。それでもボブが「愛があれば大丈夫だ。とりあえず俺の歌をきいてくれ」と言っているようでした。

 映画の序盤にボブが会見で「政治は関係ないよ」って言ってたのに「よくわからん政治思想を持った頭の悪い奴」にコンサート前に銃撃され、ヨーロッパ行脚の興業をやっていたら親友に金で裏切られ、パリでは嫁さんと喧嘩になるし足はメラノーマになるわで大変でしたね。

 ヨーロッパ行脚からジャマイカに帰った時「頭の悪い奴」が銃撃の件を謝りに来ましたが、なんで人の家にズカズカ無言で入ってくるんだよ。こえーよ。それでも優しい言葉をかけて許してあげるボブの心ひろすぎ(笑)。

 映画の締めで本物のボブが「金を持っているか持っていないかは関係ない。人間的な幸福が大切」とインタビューで答えていましたね。彼がずっと言ってた謎の言葉「ラスタ」やら「ジャー」を後で調べたら、ラスタファリアニズムという思想の信奉者だったのですね。さまざまな困難を乗り越えてたどりついた境地でもあるのでしょうね。「足るを知る」仏教的な感じもしました。

 とにかく本編中にこれでもかというぐらいボブの曲が流れ、本編が終わってエンドロール中も曲が流れている、ボブ・マーリーを通してレゲエを堪能できた作品でした。