ラグナロクの足音

夜明けのすべてのラグナロクの足音のレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
4.1
この会話演出の自然体は本物だからなせる技ですわ。派手なことは何もおきない。映されるのも日常目にするものだけ。だけど片時もスクリーンから目が離せない。すべてのショットが確信に満ち力強い。なぜ藤沢はブチ切れたのか、山添は自転車に乗って頬にあたる風に何を感じたのか、セリフではなくしっかりと画面で描ききっている。また、前作同様に撮影同録の環境音をうまく使っていた。耳障りな音も残ってしまうけど、やっぱ付け足しの音では出せないリアルさがあって、藤沢さんが炭酸水の音にブチ切れる雰囲気も伝わってくる。前作ではジムのそばの土手の階段、今作では会社のそばのトンネルみたいなところ。三宅唱は毎回とんでもなく良い場所を見つけて重要なフックにするよなと。ああいう所で、登場人物の状態や複数人の関係性を見せたり、なかなかできんよ。
ラグナロクの足音

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