このレビューはネタバレを含みます
PMSを抱えた藤沢とパニック障害を抱えた山添の出会いと成長を描いた作品。そこそこ楽しめた。
全編通してあまり何もイベントは起きないが、飽きずに見れるのは監督の力か。精神障害を持つ2人の日常系作品とでも呼べるかもしれない。主役2人のやり取りの自然さがかっこいいし、時折挟まれるコミカルな要素でクスッとすることもできた。また、登場人物が皆優しく、えぐ味が無いのが見やすくて良いのかも知れない。
たまたま同僚になった藤沢と山添だが、ひょんなきっかけからお互いの障害を知ることとなり、友人関係を築き、所謂ピアの力でお互いがちょっぴり前向きになれた、夜明けを迎えられた、という話。
別に恋愛関係に発展することも無いのは目新しさもある。
ただ山添はともかく、藤沢は母の介護で実家に戻るという結びであり、これは夜明けと称してよいのか、微妙ではないかと思った。山添とも離れてしまって孤立感強まるし、次の職場でも同僚に恵まれると良いけれど…。そうでない場合苦しむだろう。藤沢の気持ち次第だが、いっそ精神保健福祉手帳を取得できるならして、障害をオープンにして働いたほうが楽なのでは、という感じもした。